医師ではなく、年配の看護師が注射してくれました。『手をグーにして力を入れて…』という言葉がちゃんと聞き取れなくて、そもそも力も入らなくて、グッタリしたままの私が悪いんです、多分。一応、濃盆(ソラマメ形の銀色で深さのある、医療用お盆)で腕の下をカバーしてくれていたから、掃除の手間は省けたはずですが…。私の注射・点滴遍歴史上未だかつてない程の量の出血が、注射の瞬間にありました。さすがにお盆から溢れ出ることはなかったけど、半分以上私の血でいっぱいになりましたね。なんかもったいない出血でした。
この国、特にこの地域、エイズが流行っているそうです。『この人が患者さんです』って話は聞いたことがないので、流行地域と実感したことはなかったのですが。さすが、血液の扱いは、ちゃんとしていました。一滴もこぼすことなく濃盆を流しに持って行きました。
そう言えば、結婚する前にのちに主人となる人とデート中(もちろん日本で)、一緒に食べた生焼けの肉に私だけ当たり、病院に行って点滴を受けたことがありました。今回の比ではない軽さでしたが、何か食べて具合が悪くなったのが初めてだったので、よく覚えています。そこで、『スポーツドリンクを飲んで水分補給に励みなさい』と言われたものです。
おフランス帰りのカリスマ医師は、『水分の補給をしないといけないけど、絶対に冷たいものは飲んじゃダメ』と、おっしゃいました。数年来の謎が解けました。日本のお医者様のおっしゃる通り、一生懸命によく冷えたスポーツドリンクを飲んでも飲んでもよくならなかった理由が。日本のお医者様も、私がお腹こわしているのに冷たいものをガブガブ飲んでしまうバカには見えなかったのでしょうが…。
血液等色んな物を失いましたが、今後の人生に役立つ教訓を得ました。【お腹ピーピーの時は、冷たい物を飲んではいけない】ご存知なかった方も、この機会に覚えておいて下さい!