私に初めてフランス語会話を教えて下さったのは、パリ大学(って言ってた気がする)で知り合った日本人男性と一緒に日本に住んでいる学生さんでした。フランス人学生が分譲マンションに住んでいるって言うから驚いたものですが、『日本人のフィアンセと一緒に住んでいます。』とのこと。夫婦揃ってニコニコと、『あっ、そうなんですか〜』って答えたものです。
たまたまその男性がお一人で部屋に戻ろうとする時に出くわしたことがあって、『婚約してるんでしょ?』って聞いたら、『ええっ?!僕、まだ学生ですからね、普通に付き合ってるだけですよ。』って驚かれました。そりゃ、そうだ。学生カップルが相手のことをフィアンセと呼ぶはずが無い。日本人のおっちゃんおばちゃんは、そういう順番にうるさいから、『同棲してますが婚約中です』って答えるようにどこかで習ったのでしょう。
アフリカではメイドさんたちが、必ずこう主張します。『家のペットのエサにするから持ち帰ってよろしいですか?』あら?生ゴミをわざわざ持って帰ってくれるの?悪いわね…って思ってきたものですが。色んな先輩マダムから言われました。『それって多分、人間が食べてるのよ。』人間が食べるからちょうだいって言われたら、嫌な顔しちゃうかも知れませんよね。
もう一つ、嘘も方便っぽい表現があります。メイドさんのお給料で一家が十分に食べていけるそうです。とりあえず、面接では子供が居るかどうか聞かれますね。そのあと、『ご主人何をしている人なの?』って当然の流れで聞かれます。すると、判で押したように、こう答えられます。『主人は病気がちなので働くことが出来ません。だから私が働きに出たいんです。』気の毒に思って雇います。
でも、話を聞く限り、ご主人は家事に子守りに、立派に主夫業をこなしていて、かなり元気そう。だんだんわかってきます。理由は特になく、ご主人は職に付いていないのです。失業率がかなり高いらしいので、働いてない人はいっぱい居ます。ただ、『夫が働かないから…』って言われるのを外国人駐在員は好まない傾向があるので、『かわいそうな夫を支えるかわいそうな妻なんです』って主張をするようです。
正直に、『あなたたちの食べ残した物で食べていきます』…とか、『夫はずっと働かないんです』(きっっつい仕事ならあるらしいけど、アフリカには敢えて働かない男性が多いです)…とか、言っちゃわないのは、メイドさんが大人な証拠。『そう言ってるだけで本当は違うって気付いてるわよ。』って敢えて言わないのは、駐在員夫人が大人な証拠。…なのでしょうか?
一度、ペットのエサという話を本気にして、本物の生ゴミも野菜の皮も人間が食べられなくもないものも、ぜーんぶまとめて包んでおいたことがありました。『私って気が利くでしょ?』って顔をして渡したら、かなりイヤな顔で、『…メルシィ』って言われました。その時初めて、先輩マダムたちの意見が正しかったと悟りました。未熟なマダムですみません。




