この町ではよく見かけます。裸足又は廃タイヤを利用して作ったらしいぞうりのおじさんが、人力車をひいています。乗客定員は1〜2名と思われます。一応、ほろがついていて、乗客は日焼けせずに済む構造のようですが、こんがり焼けるほど長く乗っていられるような乗り心地ではありません。ボロボロでガタガタですので、座布団らしいものがあってもお尻が痛いです。
メイドさんに聞いてみると、『いつひっくり返るがわからないもの、恐ろしくて乗ろうとも思ったことがありません』とのことでした。
私の車もよく故障しますし、主人の車が故障すれば私の車で通勤してもらいますし(私が運転して送迎しましょうという甲斐性がなくてすみません)、通勤も通学も通園も関係ない私は、正直車がなくてもなんとかなる唯一の日本人駐在員家族なので、どなたかのお車が故障すれば私の車をお貸しします。それで、私が車を使えない機会が多いのです。
車使えないから〜と、家で引きこもっていても、誰にも迷惑かけないのは確か。しかし、それもつまらないので、『私の仕事ですから』…と、買い物に行ってみたりします。徒歩30分圏内で、だいたい行きたい所はあります。往路は問題ありません。
ただ、買い物をすると食材がキロ単位なので(交渉して半キロにしてもらいますが、4種類の食材を買うと2キロになります)、買い物帰りは重たいのです。それで、復路を徒歩にすると、さすがに疲れます。疲れたら家で寝ていれば良いのですが、それも面白くないのです。
外国人が一人で昼間歩いていると…。表通りを歩いている限り、安全ですね。怖い思いはしたことがありません。ただ、面倒臭いです。商売熱心なタクシーの運転手が乗ってけ乗ってけと声をかけてきます。行きはいりません。健康のためにたまには歩きます。
帰りは重たくて仕方ないのですが、平気そうな顔をして、市場近くで待機している人力車の周辺を歩いてみます。声をかけられなければこちらから声をかけます。
フランス語だけよりは、現地語を混ぜながら話す方が値段交渉しやすいです。ふっかけられた値段も十分安いのですが、『日本人は特別気前がいい』…なんて噂が立つとほかの方にご迷惑をかけますので、どうでもいいんだけど…と思いながらも、交渉します。極端に高値を言ってこられたら『たっかー!話にならないわ。冗談やめてよね!』と、ジョークに受けたような顔をしてスタスタ歩いて去ろうとすると、慌てて走って追いかけてきて、納得いくお値段の交渉ができます。
自宅近くは舗装されておりません。土がぬかるんでいると、私と買い物荷物の重さで(ほとんどは私の重さ?)タイヤ(自転車のタイヤらしい細さ)がめり込んで、かなりつらそうです。私は自宅まで人力車に乗れたことがありません。大抵は舗装されたところで『この先は無理』と言われて降ろされます。
かなり安く交渉できた人力車の人は舗装されていない道の途中まで頑張ってくれましたが、最後が急な上り坂で、全然前に進まないので、『止まって』と、言って降りました。その人には、『こっちが運賃でこっちがお礼ね!』と、結局いつも支払う値段を支払いました。重たい体で失礼しました。
インド人(国籍推定)商店主に命じられたらしい人力車は大変そうです。畳半帖ぐらいの広さの荷台に、家の天井ぐらいの高さに積み上げられた荷物を、一生懸命運んでいます。もちろん、ほろは畳んでいます。万が一ひっくり返したりしたら、当然全額弁償なのでしょう。
私はだいぶいいお客さんだと思います。




